こしあんと粒あんで栄養素が違う?
和菓子の基本 あんこを知る

みんな大好きあんこ。和菓子には欠かせないですよね。夏はひんやり羊羹で、冬はあつあつのお汁粉で。一年中様々な形で楽しめる小豆を砂糖で煮て作られるあんこ。実はこしあんと粒あんで栄養が変わるってご存じでしたか?

それは粒あんとこしあんの作り方の工程で変わります

粒あんは、小豆を皮付きで加熱し砂糖で煮詰めて練る

こしあんは、一般的に皮をとってから砂糖で煮詰めて練る

つまり、皮の有り無しが栄養の違いです。それではそれぞれの特徴的な栄養素はどんなものでしょう?

ポリフェノールを多く含む粒あん

小豆の皮の部分にはポリフェノールがたくさん含まれており、皮ごと茹でて作る粒あんにはポリフェノールが凝縮されています。ポリフェノールは血管をきれいにてくれるので、同じポリフェノールを含む緑茶やコーヒーも一緒に食べると相乗効果でいいですね。

女性の味方鉄分が豊富なこしあん

小豆の皮の中の実の部分には鉄分が多く含まれています。鉄分は血液の元になるヘモグロビンを作る成分であるためとても大切です。

ポリフェノール入りの粒あんの方がダイエット向き?

どうしても甘いものが食べたくなったら粒あんをチョイスするほうがベターかもしれません。実は粒あんに含まれるポリフェノールは、砂糖の糖分が体に吸収されにくくする働きをするためです。それでも食べ過ぎはダイエッターにとって禁物ですが、どうしても!という時は粒あんなら甘いもの欲しさの救世主になってくれるかもしれません。

小豆は豆自体が栄養豊富ってご存じでしたか?

和菓子や赤飯など日本食には欠かせない小豆ですが、実は大豆や落花生などの他の馴染み深い豆よりも脂質が圧倒的に少ないのが特徴です。

あずきの主たる栄養は炭水化物とたんぱく質です。さらにビタミンB群やミネラルを含むため、低脂質で高たんぱく、食物繊維が豊富な健康食品だと言えます。

砂糖を控えめにして糖分を摂りすぎないようにしながら、小豆本来がもつ栄養素で便秘や貧血の改善、美容やダイエットの助けにもなります。

便秘解消

食物繊維が豊富なあずきは、便の量や水分を増やして排便を促してくれます。さらに小豆にはオリゴ糖もたくさん含まれており、腸内の悪玉菌が増えるのを抑えながら善玉菌を増やしてくれるため、免疫力を高めてくれます。

老化防止

体の老化を早める活性酸素という物質はシミやシワ、白髪の原因にもなります。ポリフェノールがもつ抗酸化力は増えすぎた活性酸素を除去する働きがあります。

貧血予防

ミネラルの中でも鉄分を多く含む小豆は女性の強い味方です。鉄分は血液をつくるのに必要不可欠な成分。鉄分が不足すると、酸素の運搬が停滞し顔色が悪くなったり、めまいやたちくらみが起きやすくなったり、疲れやすくなります。

コレステロール値を下げる

健康診断で毎回気になるコレステロール。実は小豆の皮に含まれるサポニンはコレステロールや中性脂肪が増えるのを防いでくれる働きがあります。さらに血糖値の上昇を抑え、血流を良くします。それによって動脈硬化や心筋梗塞の予防にもなります。

ここまで小豆に健康に必要な栄養素が凝縮されているとは!和菓子に対する見方が変わりそうですね。保存技術が高い現代では一年中を通して美味しいあんこを楽しむことができます。健康的な食生活のお友に、ぜひ粒あん・こしあんも加えてみませんか?

それならいっそのことあんこを自分で作ってみたいと思いませんか?お店のあんこも美味しいですが、手間をかけて自分でじっくり炊き上げたあんこは格別です。

意外と簡単に作れて、短時間でできる粒あんの作り方をご紹介しますので、ぜひお試しください。冷凍保存もできます。

基本の粒あんの作り方

材料

◆小豆250g
◆水600mlを2回 (調理途中の水は除く)
◆上白糖 250g(お好みで減らしてもOK)
◆塩 ひとつまみ

①ざるに豆を入れてさっと水ですすぎ洗いします。
②鍋に小豆と水を入れて中火にかけ、沸騰したら水200mlを追加して煮続けます。
③沸騰したらざるにあげてゆで汁を捨てます。この上から水を注ぎ、渋み成分を洗い流します。
④再び鍋に小豆と水600mlを入れ中火にかけ、沸騰したら水を200ml加えます。「差し水-沸騰」の工程を15分間繰り返します。
⑤再びざるにあげて、ゆで汁を捨てて水ですすぎます。

参考資料

井村屋 https://www.imuraya.co.jp/

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